善通寺市民プールの現在は?閉鎖理由と解体跡地・再開動向を追う
夏の香川県中讃地域において、半世紀近くにわたり子どもたちの歓声を集めてきた大型水泳施設「善通寺市民プール」。巨大なウォータースライダーや一周する流れるプールを備え、格安で遊べる屈指のレジャースポットとして親しまれてきた同施設ですが、ここ数年は営業休止の知らせが続き、市民や近隣住民の間で動向が気をもまれていました。
カレンダーが夏を迎えるたびに「今年こそ営業しているのか」「このまま完全閉鎖されてしまうのか」という疑問の声がネット上でも頻繁に交わされています。かつて県内外から多くの家族連れが押し寄せた名所は今どうなっているのか。善通寺市公式の公表資料や市議会での議論、現場の解体工事の進捗、そして気になる跡地利用の行方まで、客観的な事実に基づいてその全貌を解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:善通寺市民プールは設備の深刻な老朽化と莫大な改修費用を背景に、再開されることなく正式に廃止・閉鎖が決定。
- 要点2:敷地内ではすでに解体撤去工事が推進され、かつて親しまれたスライダーや流れるプールは完全に姿を消した。
- 要点3:跡地は複合スポーツ機能や防災拠点、地域交流ゾーンとしての再整備が有力視されており、今後は代替施設の選択が鍵となる。
【2026年最新】善通寺市民プールの現在はどうなった?営業休止から閉鎖・解体への全貌
かつて善通寺市パブリックスポーツセンターの一角を占め、夏の風物詩としてにぎわった善通寺市民プールの2026年最新における現状は、すでに施設の供用を完全に終了し、解体工事が完了または最終段階に入った更地化・再整備フェーズとなっています。
時計の針を少し巻き戻すと、新型コロナウイルス感染症の拡大期であった2020年以降、感染拡大防止策の一環としてプールの営業休止が続いていました。しかし、営業中止が長期化した真の要因は感染症対策にとどまらず、水面下で限界を迎えていた施設の構造的劣化にありました。営業再開に向けた点検調査が進められるなかで、プールのろ過装置や地下配管、躯体コンクリートの損耗が想定以上に進行している実態が浮き彫りになったのです。
善通寺市議会の議事録および市が策定した「公共施設再編計画」の公表資料によると、市当局は複数年にわたり大規模改修による存続と廃止の双方を慎重に比較検討しました。しかし、数億円から十数億円規模に達する巨額の改修・更新費用を投じることは、急速に進む少子高齢化と厳しい自治体財政の中で極めて困難であると判断され、営業再開を断念。施設は惜しまれつつも正式な廃止決定へと舵を切ることになりました。
現在、現地を訪れてもかつて子どもたちが列を作ったらせん状の大型スライダーや水しぶきを上げたプールサイドは存在せず、重機による構造物の撤去作業を経て、新たな都市区画としての表情を取り戻しつつあります。「いつか再開するのではないか」と淡い期待を寄せていた利用者にとっては寂しい現実ですが、善通寺市民プールはその長い歴史に完全にピリオドを打ったのが動かしがたい事実です。

なぜ愛された名所が幕を閉じたのか|巨額の老朽化対策と財政の壁
善通寺市民プールの閉鎖理由を掘り下げると、地方都市が直面している「昭和・平成初期インフラの一斉老朽化」という根深い構造問題に行き着きます。単なる利用者の減少だけではなく、物理的・安全面での維持継続が不可能になった客観的な背景が存在していました。
善通寺市パブリックスポーツセンターの屋外プール施設は、開設から40年以上が経過していました。プール設備は一般的な建築物以上に過酷な環境に晒されます。塩素濃度の高い水や紫外線、年中を通じた風雨の影響を受けることで、コンクリート躯体の中性化や鉄筋の腐食、地下に埋設された配管類からの深刻な水漏れが常態化していました。市関係者の調査報告によれば、休止前の段階ですでに配管からの漏水によって日々の補水量が異常値を示しており、環境面・安全面の両面から放置できない水準に達していたとされます。
とりわけ決定打となったのが、以下の3つの要素です。
- ろ過機・機械室ポンプ設備の機能停止:水を衛生的に循環させる心臓部が寿命を迎え、特注の交換部品調達すら困難になっていたこと。
- スライダー等遊具の安全基準不適合:経年劣化によりFRP樹脂の剥離や支柱の錆が進行し、最新の安全基準を満たす全面改修には莫大な費用を要したこと。
- 費用対効果の悪化:善通寺市の人口約3万人規模に対し、わずか年間1〜2ヶ月程度の夏季限定稼働施設へ数十億円を投じる妥当性が得られなかったこと。
善通寺市が公表した公共施設等総合管理計画の試算でも明らかなように、限られた公的資金は学校教育施設や道路、防災拠点の長寿命化に優先配分せざるを得ません。首長部局および市議会における熟議の末、「市民全体の税負担の公平性」を考慮した結果、苦渋の決断として完全閉鎖と解体工事の実施が確定しました。
スライダーと流れるプールの記憶|善通寺市パブリックスポーツセンターの栄光と歴史
閉鎖された今だからこそ、善通寺市民プールが香川県民にとってどれほど特別な存在であったかを振り返る必要があります。香川県内において「公営でありながら本格的なレジャー設備を備えたプール」は極めて希少であり、隣接する丸亀市や三豊市、坂出市などからも多くの家族連れが集まる一大拠点でした。
目玉だったのは、全長数十メートルに及ぶ曲がりくねったウォータースライダーと、浮き輪に乗って身を任せられる流れるプールです。一般的な25メートルプール主体の市民プールとは一線を画し、まるで民間のテーマパークのような充実度を誇りながら、利用料金は公営ならではの数百円という圧倒的な破格設定でした。
| 項目 | 善通寺市民プール(営業当時) | 一般的な民間レジャープール水準 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 入場料金(大人) | 約500〜600円程度 | 2,500〜4,500円前後 | 民間テーマパークの約5分の1。家計に極めて優しい価格破壊水準。 |
| 入場料金(小中学生) | 約200〜300円程度 | 1,500〜2,800円前後 | 小遣い銭で通える設定であり、地域の子どもの居場所として機能。 |
| 主要アトラクション | 流れるプール、スライダー、幼児用、50m/25m | 波のプール、大型スライダー、スパ複合 | 自治体プールとしては過剰なほど豪華。昭和の黄金期の象徴的設計。 |
| 営業期間・時間 | 7月上旬〜8月下旬(約10:00〜18:00) | 7月〜9月上旬(夜間ナイター営業あり) | 夏休み期間に特化した運営。短期稼働ゆえに維持コスト回収が難点。 |
午前中に開門を待つ長い行列ができ、木陰にレジャーシートを敷いて家族で一日を過ごした記憶を持つ香川県民は少なくありません。スライダーの階段を駆け上がる子どもの足音や、流れるプールに鳴り響く監視員の注意笛は、中讃地域の夏の原風景そのものでした。この充実したスペックと利用の手軽さのギャップが大きかったからこそ、施設閉鎖の報せがもたらした喪失感は計り知れないものとなったのです。

【実態検証】「復活を望む市民」と「財政負担」の狭間|ネットの反応と市民の生の声
施設の解体が進むにつれ、インターネット上の掲示板やSNS、地域コミュニティ内では様々な声が噴出しました。取材を通じてネットの反応を体系的に検証すると、単なるノスタルジーにとどまらない、住民世代間での意識の温度差が浮き彫りになります。
SNSや口コミサイトに見られる利用者の生の声には、失われた夏の娯楽を惜しむ声が溢れています。
「子どもの頃、夏休みといえば善通寺プールだった。自分の子どもも連れて行きたかったのに、再開せず解体されると聞いて本当にショック」「格安でスライダーに乗れる場所なんて香川県内に他にはない。民間レジャープールは家族4人で行くとチケットだけで1万円を超えてしまうため、気軽に行けなくなった」という切実な子育て世帯の嘆きが多数を占めます。
一方で、善通寺市議会の市民アンケートや地元シニア層の意見に目を向けると、全く異なる現実的な視線が存在していました。
「年間でたった40日ほどしか使わない屋外プールに数十億円の市税をつぎ込むのは無理がある」「プールの赤字補填に税金を使うくらいなら、コミュニティバスの充実や高齢者福祉、小中学校のエアコン維持に回してほしい」という財政健全化を求める強い要請です。自治体の限られた予算パイを奪い合う現代において、「かつての憩いの場」を維持することへの賛否は、市民感情を二分する複雑な課題であったことがうかがえます。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「再開の噂」や「民間委託説」の真相
善通寺市民プールを巡っては、インターネット検索や地域住民の口コミを中心に、いくつかの根拠のない憶測や誤解が一人歩きしていました。それらの真相をここで整理・検証します。
誤解①:「改修が終われば2026年以降に再開される」という噂
これは最も多く見られた勘違いです。「休止中」という初期の発表表現が定着していたため、「工事をして綺麗になったら再オープンする」と思い込んでいた住民が一定数存在しました。しかし、市が選択したのは改修ではなく用途廃止および除却(解体)です。したがって、同じ場所で同一形態の市民プールとして再開される可能性は完全にゼロです。
誤解②:「PFI方式や民間委託(ネーミングライツ)で民営プールとして蘇る」という説
近隣自治体や他県の事例から、民間事業者を募ってリニューアルするのではないかという観測もありました。しかし、香川県内には「NEWレオマワールド(レオマウォーターランド)」という大規模な民間テーマパークが近距離に存在しています。少子化が進む中讃エリアにおいて、行政が民間に公設民営のレジャープール運営を打診しても、投資回収の見込みが立たず事業者が手を挙げないという冷酷な市場原理が存在しました。
誤解③:「善通寺市パブリックスポーツセンター全体が消滅した」という誤認
解体されたのは屋外のレジャープール設備であり、隣接する体育館や総合運動場、市民体育施設など「善通寺市パブリックスポーツセンター」の主要施設は維持されています。屋外プール部分の敷地が切り離され、新たな再編プロセスに入ったに過ぎません。
【プロの結論】公共インフラの縮小時代における市民の向き合い方
地方都市における公共プールの相次ぐ廃止は、善通寺市に限った特異な事象ではありません。高度経済成長期からバブル期にかけて日本全国の自治体が競い合うように建設した「流水プール」「造波プール」は、現在そのほぼ全てが更新期を迎えています。しかし、日本の生産年齢人口の激減と社会保障費の増大を鑑みれば、自治体がレジャー要素の強いプールを抱え続ける時代は構造的に終焉を迎えました。
家族社会学や都市政策の観点から導き出される教訓は明快です。行政に「過去と同じ手厚い娯楽福祉」を求め続けることはもはや財政的に破綻を招きます。市民側も「公営プールに過度なアトラクション性を求める」段階から、「健康維持のための通年型温水プール」と「レジャーとしてのテーマパーク」を明確に使い分けるリテラシーが求められています。
【向いている人・慎重になるべき人の判断基準】
- 民間プールへシフトすべき人:スライダーや流れるプールなどの非日常的なアミューズメント体験を重視する子育て世帯。公営の復活を待つのではなく、近隣のレオマリゾート等のシーズンパスや早期割引を賢く活用する戦略へ舵を切るのが合理的です。
- 代替の公営温水プールを活用すべき人:日常的な体力増進、水泳の練習、リハビリ目的でプールを利用したい人。近隣市町の屋内温水プール(丸亀市温水プールや高松市・三豊市などの通年施設)を日常使いする方が、天候に左右されず費用も安定します。

善通寺市民プール跡地はどうなる?今後の利活用計画と香川県レジャープールの選択肢
構造物の解体工事が進んだ善通寺市民プールの跡地活用について、市はどのようなビジョンを描いているのでしょうか。善通寺市パブリックスポーツセンター周辺は、市役所や中央公園、自衛隊駐屯地とも近接する市内屈指の公共文教拠点です。
現在進められている跡地の利活用方針としては、以下のような方向性が有力視されています。
- 多目的スポーツ・健康広場の整備:プール跡地を整地し、既存の体育館や運動場と有機的につなぐ屋外運動スペースや芝生広場、ウォーキングコースとしての再編。
- 地域防災拠点・避難スペースの機能強化:大規模災害時における一時避難場所、物資集積拠点、緊急車両の待機スペースとしてのインフラ整備。
- 子育て世代向けインクルーシブ遊具広場:水を使わず通年で安全に遊べる、誰もが利用可能な次世代型公園スペースの創出。
水泳施設としての役割は終えたものの、跡地はより維持コストが低く、年間365日幅広い世代が利用できる開かれたパブリックスペースとして生まれ変わる道筋が模索されています。
一方、善通寺市民プールの閉鎖によって「今年の夏、香川県でレジャープールを楽しみたい場合はどこへ行けばいいのか」という切実な問題が残ります。現在、県内および近隣で流水プールやスライダーを楽しめる主要な選択肢は以下の通りです。
- レオマウォーターランド(丸亀市):中四国最大級のリゾートプール。流れるプール、波のプール、超長大なスライダーなど設備は最高峰。入場料は民間水準となりますが、レジャー満足度は県内圧倒的ナンバーワンです。
- さぬきこどもの国(高松市周辺):プールではないものの、夏季の水遊び場やじゃぶじゃぶ池が極めて充実しており、未就学児〜小学校低学年なら無料で安全に涼を楽しむことができます。
- 丸亀市総合運動公園 屋外プール:近隣自治体の公営プールとして夏季に営業。善通寺ほどの大規模な流水設備はないものの、50mプールや幼児用プールを備え、格安で水に親しむ場として重宝されています。
【善通寺 市民 プール】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:善通寺市民プールが将来的に再建・再開される可能性はありますか?
A1:再開される可能性はありません。設備の極度な老朽化に伴う巨額の改修費用と将来の維持費を考慮し、善通寺市は施設の用途廃止を決定しました。すでに施設の解体撤去が行われており、市民プールとしての歴史には正式に終止符が打たれています。
Q2:善通寺市民プールが閉鎖された一番の理由は何ですか?
A2:開設から40年以上が経過したことによる躯体コンクリートや地下配管の激しい劣化、ろ過装置の故障です。日々の深刻な漏水が発生しており、安全基準を満たす全面改修には数十億円規模の財政負担が必要となるため、人口動態や費用対効果の観点から存続を断念しました。
Q3:跡地は今後どのような施設として使われる予定ですか?
A3:パブリックスポーツセンター全体の機能再編に合わせ、年間を通じて利用可能な屋外多目的スポーツ広場や防災機能を持つオープンスペース、または市民が憩える公園緑地としての利活用が検討されています。水を使わない維持管理しやすい公共空間への転換が進められています。
まとめ:昭和・平成の思い出に感謝し、新たなまちの姿へ
善通寺市民プールの閉鎖と解体は、長年利用してきた香川県民にとって一つの時代の終わりを告げる象徴的な出来事でした。格安の料金で大人も子どもも一日中スライダーや流れるプールを満喫できた日々は、間違いなく地域の歴史に刻まれたかけがえのない記憶です。
しかし、少子高齢化とインフラ老朽化が同時に押し寄せる現代において、自治体が過去の施設をそのまま抱え続けることは持続可能ではありません。善通寺市が下した廃止という決断は、財政の健全性を守り、未来の世代に必要な公共投資を残すための現実的な選択でもありました。
かつての歓声に包まれたプールサイドは姿を消しましたが、その広大な跡地は次の時代を担う新たな市民の広場へと生まれ変わろうとしています。過去の夏の思い出に感謝を捧げつつ、これからの街の再生と新たな賑わいの誕生を温かく見守っていきたいところです。 (出典: 善通寺 市民 プール(Yahoo!ニュース))